嗅覚:五感の変化⑥

加齢とともに嗅覚が衰え、65歳を過ぎると、においを感じにくくなりやすいといわれています。鼻からの刺激を処理するための「嗅覚」を形成する脳の部位は、直感的判断に深い関係があります。

また、においは記憶と深くむすびついているといわれます。記憶をよびもどす手段としての香りを、積極的に取り入れることも大切です。においはドーパミンの分泌を促し、やる気を起こさせる働きもあります。脳を活性化するためには、嗅覚を刺激することが有効です。

 

香りの効果
コーヒーの香りを嗅ぐと、色を短時間で識別する能力が向上し、音の高低を聞き分ける能力が上がるとされています。ラベンダーの花の香りは、やすらぎを与えるとともに鎮静効果があることは、生理学的にも実証されています。

心地よい香りは、神経を鎮めストレスを取り除く効果があります。不快なにおいは、呼吸数や心拍数を増やします。アロマセラピーは覚醒をうながし、攻撃性を減らして、病気に対する防御機能を刺激します。

 

香りを楽しむ生活
食べるときは目で楽しむだけでなく、香りも楽しみたいものです。 目覚めやすい香り、眠りにいざなう香りを使って上質な睡眠を演出できます。 ヒノキの香りは、森林浴効果から心身をリラックスさせます。

 

>ケアリングデザインが考える五感アプローチについてはこちらの冊子でご紹介しています。

Photo:Miki Chishaki

五感の変化①
五感の変化②:視覚
五感の変化③:光 
五感の変化④:色 
五感の変化⑤:聴覚
五感の変化⑥:嗅覚
五感の変化⑦:味覚
五感の変化⑧:触覚
五感の変化⑨:体温

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