65歳の定年の決断—エリザベスの北欧だより—Living in Scandinavia【2】

私たちはいまノルウェーのオスローに住んでいます。

以前はオスローから約 70 km 離れたコングスベルグという小さな町に、9 年間住んでいました。

デンマークで生まれ、ロンドン、ノルウェー、フランス、アメリカ、日本、そして再びノルウェーとデンマーク。

これまで移り住んできた場所を振りかえると、ある意味で私たちは少し落ち着きがなかったのかもしれません。

夫ゲイルの仕事の都合という事情もありましたが、何か新しいことを試してみたかった、海外の生活を見て経験したかったのだと思います。

ノルウェーから、私たち家族 4 人はパリ近郊のフランスに 6 年間、それから娘たちを母国に残して、夫のゲイルと私だけでアメリカ カリフォルニアに 3 年近く住みました。

最後に、 ゲイルは4年間日本に単身赴任しました。

私は、看護師の仕事を続けるためにノルウェーにいなければなりませんでしたので、休暇をとって何度かゲイルの住む日本を訪れました。

幸いなことに長い休暇がとれて、2度ほど、5 か月と 8 か月の長期滞在ができました。

日本滞在中に、ケアリングデザインの吉田紗栄子さんと出会って、ここに私のライフ・ストーリーを発表する機会を得た訳です。

 

デンマークで基本的な看護トレーニングを受けて以来、海外滞在期間と産休期間を除いて、私はデンマークとノルウェーで、看護師としてずっと働いてきました。

2人の子どもと夫のいる身でしたが、フランスへ移住する前には、集中治療看護師としての特別なトレーニングも受けました。

移住先のフランスでも病院に就職しようとしましたが、非常に難しかったので、フランス滞在中はこの地の文化を勉強することに決めました。

もちろん子どもたちの世話も!これは最重要課題ですからね。

何年も病院で働いた後、ノルウェーでは、移民や亡命希望者をサポートする仕事に就きました。そこでは、主に感染症に関わる管理と旅行者の予防接種を担当していました。

いつも自分の仕事は大好きでした。

年を重ねるにつれて、働く人生こそが私のすべてだったのだと思うようになりました。特にここ 1~ 2年は、仕事が私のすべてを占めていましたから。

デンマークの定年は65歳。

ノルウェーは67歳ですが、看護師は65歳定年なので、66歳になったとき、私は退職することを選びました。

働くことがすべてだった私の人生を、まったく別の生活に変える。

自分で下したこの決断に、とても満足しています。

いま、私は、自分の生活をすべて自分で決めることができます。

そんな劇的な変化をもたらすには、ある程度の心構えが必要でしたけれど。

リタイア後の私は、毎週のアクティビティを計画します(時間の無駄を避けるためでもあります)。

一方で、訳もなく自分にストレスをかけることもありません。

週に 2 回、健康を維持するために、コーチと一緒にエクササイズをしています。エクササイズは、年齢を問わず、健康維持には重要です。

また、社会的な関わりもとても重要です。

街や、我が家で、昔からの友人としょっちゅう会い、映画館・劇場・美術館に出かけ、時々買い物も楽しみます。

これが私のリタイアライフです。

 

エリザベスの北欧だより—Living in Scandinavia【1】

 

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