エリザベスの北欧だより—Living in Scandinavia【1】

私の名前は、エリザベス。

これから、私の人生と、ノルウェーで年を重ねることについてお話しします。

Elderlyという言葉を辞書で調べると、「年を取った人の丁寧な呼び方である」とあります。

「年を取った人」と言っても、いったいいくつくらいを言うのでしょう?  これには明確な答えはないと、私は思います。

少し前のことですが、ちょっとしたものを届けに、近所の人を訪ねました。

玄関で待っていると、15歳の娘さんが「お父さん、外におばあさんが立っているよ 」という声が聞こえます 。

それまで私は、自分が年寄りだなんて感じたことは一度もありませんでした。とはいえ、定年を迎える年になっているのですけれど。

思うに誰もが、自分の実際の年齢ほど、年を取っているとは感じていないのです。

さて、私の人生の話に入りましょう 。

ノルウェイ、あるいはスカンジナビアで年を重ねた、個人的なお話です。

私は、デンマークで生まれ、今もデンマーク人 です。私の家系は、ユトランド半島の北端にあるスカーゲンからほど近い場所の出身です。

父は銀行員で、母は概ね専業主婦でした(ときに、事務所で働くこともありました)。

私には、2歳下の妹がいます。私たちの子ども時代はとても幸せで 、わくわくするものでした。

父も母も、外国やそこで暮らす人への好奇心が旺盛でした。

父は、若い頃イギリスに何度も行きました。毎年夏には、祖母も一緒に2週間ほどヨーロッパを車で旅していました。

第二次世界大戦の終戦からまだ日の浅い1950年代頃のことです。このように毎年旅をするのは、まだめずらしい時代でした。

父の収入は高く、必要なものはすべて手に入れることができました。と言っても、私たち姉妹は時折、両親のことを節約しすぎではないかと思っていました 。

私は高校卒業後、看護師としての訓練を受けました。

父の影響で私もイギリスが大好きでした。幸い、ロンドンの聖マリア病院で看護師の仕事を得ることができました 。

ただ、そこに赴任する前に、英語で患者さんに接したいと思い、英語をブラッシュアップしてから行くことにしました。

イギリスの南にある海岸都市ボーンマスというところで、3ヶ月の英語コースを受けました 。

これが運命の分かれ目でした 。

正直なところ、このコースでどのくらい英語が上達したかはわかりません。

そこで突然、私の前に若きノルウェー男性が現れたのです(彼はいま私の隣に座っています)。

2年後、私は彼と結婚してノルウェーに移り住み、看護師としての仕事もしていました。

それから4年の間に、クリスティンとベネディクト、二人の娘が生まれました。

少々自己紹介が長くなりました。続きは、次回にお話しいたしましょう。

 

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