60歳からの人生が楽しみになる—佐伯チズ『夢は薬 諦めは毒』

『夢は薬 諦めは毒』は、2020年6月に永眠された美容家 佐伯チズさんが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の闘病中にも関わらず、これまでに考えてきたことや感じたことを多くの人々に伝えたいと、最期まで取り組んでいた書籍です。

美容家の佐伯チズさんは、60歳でディオールを定年退職してから、独立してサロンを開業し、初の書籍を出版。その後の活躍はご存じの通り。独自のメソッドである「佐伯式美容法」は、知らない人はいないほどの大人気となりました。

まさに、60歳からの新しい人生の始まりです。もちろん、定年退職に至るまでに丁寧に積み重ねてきた実績があったからこそ、新しいステージで大活躍することができたのです。

60歳からの人生を考えるとき、佐伯チズさんの存在とその活躍は、Good Over 50’sの女性たちにとって本当に心強いものです。

夢を叶えるためには「人生のカタログを自分でつくる」という気持ちで、細かく目標を立てることが大切と、チズさんは本書で言います(チズ格言03より)。

10年単位で目標を立てて、70歳、80歳の自分のカタログをつくること。チズさん自身も、「1人でも多くの人をキレイにするために」という目標のもと、70歳でやること、80歳でやることを考えて、そのカタログを組み立てていました。さらにALSの発病が判明すると、この病気を世間の人々にもっと知ってもらうための活動を新たな夢にすると決めます。

「夢は薬、諦めは毒」、理想に近付くためにはまず夢を持ち行動を起こす、諦めたらダメ。チズさんがまわりの人にずっと言い続けてきたこの言葉は、病と闘う自分自身をも奮い立たせる言葉でした。

本書は、難病と闘いながら2020年6月に永眠された佐伯チズさんからの、力強い33の言葉の贈りものです。心を震いたたせたいとき、元気になりたいとき、いつも傍に置いて読みたい本です。

 

佐伯チズ『夢は薬 諦めは毒 あなたに寄り添う33の言葉』(宝島社)

価格:本体1,300円+税
ISBN:978-4-299-00594-6

チズさんの33の格言以外にも、「チズのお気に入りお取り寄せ暦」として、チズさんが取り寄せていた、とっておきの全国各地の食品紹介も数ページあり、口福で楽しい内容です。この本一冊まるごとに、チズさんの美意識やエッセンスが詰め込まれているかのようです。

 

この記事をSNSでシェアする

関連記事