上大岡トメ『老いる自分をゆるしてあげる。』

タイトルにハッとして手に取った本です。

イラストレーター上大岡トメさんの新刊コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』は、50歳からの心身の変化に気づいた主人公が、いきいきと健康的に老いと付き合う「アンさん」という架空の先輩に、老化の意味を教わるというもの。

公私ともに多忙な50代、しかし心身の変化はありありと目に見えてきます。本書では、こうした変化を無視するのではなく、なぜ心身がそのような変化をするのかについて、50歳の主人公が81歳の「アンさん」に教えを乞うというスタイルで、老年内科や東洋医学の医学博士や理学療法士、脳研究者などの5人の専門家に取材した内容をわかりやすく紹介しています。

最近の人々の志向は、加齢に拮抗する「アンチエイジング」から、年齢と共にその変化を受け入れて美しく生きる「ウィズエイジング」や「スマートエイジング」へと変わりつつあります。

米国の女性誌「Allure(アルーア)」は、「若さ=美しさ/加齢=抗するもの」という風潮に終止符を打つため、2017年9月号で「アンチエイジングの終わり(The end of anti-Aging—our call to the industry)」という特集を組んで脱アンチエイジング宣言を謳い、表紙に女優のヘレン・ミレンを取り上げました。

また、白髪へと変化していくありのままの美しさを受け入れる「グレイヘア」というムーブメントも、内外で高まりつつあります。

社会全体が「老い」への意識を変えていきつつありますが、やはり自分のことになると、まさに「老いる自分をゆるせない」「老化を見ない振りをする」という感情や対し方が生まれてきます。

本書では、なぜ老化という変化が心身に起こるのかについて詳しく説明するとともに、その変化を素直に受け入れる方法、50歳からの人生の作り方についてもアドバイスしています。

Good Over 50’sの皆さんなら、本書のように「老いる自分をゆるし」、さらに老いる自分を褒めてこれからの人生を楽しんでいきたいものですね。

 

上大岡トメ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎)定価1,200円(税別)

幻冬舎のウェブマガジン上でも内容の一部詳細を閲覧できます。

幻冬舎plus>老いる自分をゆるしてあげる。

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