『老いてこそデジタルを。』若宮正子

著者の若宮正子さんが、米国アップルのCEOティム・クックさんに、世界最高齢のiPhoneアプリ開発者として紹介されたのは、81歳のとき。

その後も若宮さんは、TEDxTokyo2014登壇、国連での基調講演、YouTubeチャンネル、NewsWeek「世界が尊敬する日本人2019」にも選ばれるなど、多彩な活動をされています。

いまやICTエバンジェリストの若宮さんですが、パソコンを購入して本格的に取り組んだのは定年退職後から。『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』『独学のススメ 頑張らない!「定年後」の学び方10か条』という数々の著書通りに、好奇心の赴くまま、シニア向けサイトへの参加、シニア向けパソコン教室主宰、Excelアート、海外ひとり旅、アプリ開発など、次々と新しい扉を開いていきます。

本書はそんな若宮さんが、シニアに向けてデジタルの活用法をわかりやすく紹介したもの。これからスマホやインターネットの勉強をしたいと考えている人にオススメです。読んでいると、「歳だからもうムリ」という言い訳はできないなと感じるはず。なにより、若宮さんご自身が新しいデジタルツールを楽しんでいる様子が溢れています。

特にいいなと思ったのは、「第1章 デジタルはシニアの大きな味方」「付録  シニアの機能を補完するデジタル器機」の部分。「付録」の章では、現在84歳の若宮さんが「老いることで失ったならば、補えばいいのです」というように、聴力、視力、記憶力、体力を補完してくれるデジタル器機を紹介しています。実際、老眼が始まって文庫本の小さな文字が読めなくなって読書をあきらめていた人でも、いまや文字サイズを自由に拡大できる電子書籍があります。加齢とともにたのしみやできることをあきらめていくのではなく、私たちの五感の変化をサポートしてくれるデジタル器機をうまく活用していけるとよいですね。

加齢とともに変化する五感の機能を補う住まいづくりをめざすケアリングデザインの考え方と共通しているなと思いました。

シニアだけでなく、デジタル関係に苦手意識のある人にもオススメの本です。

書名:老いてこそデジタルを。
著者:若宮正子(著/文)
発行:1万年堂出版
定価: 1,100円(税別)
ISBN:9784866260532

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