色から考える健康と安全2【50代リフォーム㊵】

部屋を構成している床・壁・天井は、面積が広い上、取り替えが容易ではありません。リフォーム時こそ、色を変えるチャンスです。

床は、壁より暗い色にすると安定感が増します。壁や天井は、光沢のある白っぽい色より、織物柄のような多少表面に凸凹のあるものを使う方が、部屋に表情が生まれます。

真っ白は、反射が強すぎて目が疲れますので、アイボリー、薄いクリーム系、あたたかみのあるグレー系などがおすすめです。このような明るい色は、照明効果も高めます。特に個性的な部屋にしたいという場合は別として、ベースはこのようなベーシックな色の方が飽きがきません。

迷ったときは、皮膚の色と比べてみるのもひとつの方法です。木や紙、漆喰(しっくい)などでできた昔からの日本の住まいの色は、私たちの皮膚の色と近い色合いを持っています。皮膚の色合いは、血圧が最も安定する色とも言われていますので、落ちついた感じになります。

カーテンは、壁面に占める割合が大きいので、その色によって部屋の雰囲気を左右します。濃い色は部屋を狭く見せますので、狭い部屋では薄い色を選ぶとよいでしょう。

クッションや小物に、アクセントになる色を使うと、インテリアにメリハリがつきます。このような小物は比較的簡単に取り替えられるので、季節や気分によって好きな色に変えるなどして、楽しんでみてください。

色を、安全を守る手段として使うこともできます。

たとえば、つまずきやすい段差のあるところは、床材の色を変えたり、床の色と家具の色の区別がつきやすいようなものを選べば、角にぶつけたりすることも少なくなります。徐々におとろえていく目の機能を、色のコントラストをつけることで補うこともできます。

吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
PHOTO©IDC /amanaimages
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