「デュオセーヌ国立」
公園や食、五感を刺激するコミュニティデザイン

ケアリングデザインが企画・デザインを担当し、2020年度グッドデザイン賞を受賞したシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ国立」は、自主運営のレストランと公園を地域に開いて計画したことで、自由度の高いシニアライフを好む居住者と、地域の人々との交流を醸造する、心地良い居場所のデザインが実現しました。

レストラン出入口に配置された「欅ガーデン」(写真左)と「けやき菜園」(写真右)

「デュオセーヌ国立」につくられた公園は、地域の方も自由にご利用いただけるレストラン「けやきテラス」の前に防災拠点として地域に開かれたオープンスペース「欅ガーデン」と、居住者と地域の方々が草花を育てられる「けやき菜園」とがあります。

「けやき菜園」腰をかがめなくても植物の世話ができるレイズドベッドは居住者や地域住民に人気。

これらを企画した背景には、以下の課題解決という目的がありました。

<①地域の課題>計画地の国分寺市西町周辺には公民館(集会所)が無く、自治会も遠方の市の施設を利用していました。本計画では地域の人々が身近に集まれるコミュニティの場を提供することで潤いのある街づくりを目指した。

<②提供公園の課題>画一的になりがちな指導要綱上の設置義務である提供公園を、本計画ではシニア分譲マンションの住民主体の管理・運営方式とすることで、建物・公園・街の一体感を図り、レストランを併設することで賑わいを生む交流拠点とした。

<③高齢者住宅の課題>建物内で閉鎖的・受動的な生活をしている事の多い従来型の高齢者施設に比べ、本計画では居住者が開放的・能動的な生活が出来る建築計画と運営プログラムを実現した。

<④孤独感の課題>高齢化に伴い孤独感・孤立感が高まる社会背景の中で、人と話したい、一緒に食事をしたいなどの、人の「ふれあいたい」気持ちに応える心地良い居場所づくり。

「欅ガーデン」奥に見えるマンション1階部分が自主運営レストラン「けやきテラス」

「欅ガーデン」は、武蔵野の原生林を再現し、井戸と小川があり、ふだんは子どもの遊び場や憩いの場として、災害時には井戸水を非常要飲料水として、利用できるようになっています。

「けやき菜園」ガーデンキーパーによるグリーンイベントなども行われて賑わっています。

「けやき菜園」には、居住者や地域の方々が、どなたでも気軽に園芸を楽しむことができるように、腰を屈まなくても草花の世話ができる高さを確保した高床式の花壇「レイズドベッド」を設けています。専門のガーデンキーパーがいて、植物の世話から収穫までをアドバイス。内外問わずお申し込みが殺到する、いま人気の菜園となっています。

「けやき菜園」通りに面しており、地域に開かれた交流の場として活用されています。

また「デュオセーヌ国立」は、五感を心地良く刺激するために、さまざまな工夫がされています。
たとえば、外に開かれた「欅ガーデン」「けやきテラス」「けやき菜園」、そしてマンション内には、武蔵野の地層をイメージした左官壁(エントランスホール)、武蔵野の風景を切り取った写真アート作品がフロア毎に展示されています。

視覚:樹木や草木の四季の変化を楽しむ。
聴覚:小川の水のせせらぎや草木の触れあう音を聴く。
嗅覚:花壇の花々の香りを嗅ぐ。
触覚:土いじりや収穫を手で体験する。
味覚:地元国分寺の新しい農業の形として注目される「こくベジ」と提携するレストラン「けやきテラス」で、「けやき菜園」の収穫物や地元の旬の食材を味わう。

「デュオセーヌ国立」は、五感を刺激し、地域社会と関わりを持つ場のデザインを行うことで、居住者であるシニアのくらしの質を高め、さらに地域に貢献するシニアマンションの新しいかたちを実現しました。

「デュオセーヌ国立」のコンセプトやデザインについては以下の記事で詳細にご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

デュオセーヌ国立—住むことで すこやかになる すまい—

 

株式会社フージャースケアデザイン

シニア向け分譲マンションデュオセーヌ国立【公式HP】

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