究極のバリアフリー仕様浴室【50代リフォーム:70】

浴室が広いということと、大きな浴槽を入れることは、意味が違います。

浴室空間そのものは、ある程度広い方が望ましいですが、浴槽が大きすぎると、滑ったときに危険です。

浴槽での事故など「浴室は二人で」

自分の身体に適したサイズの浴槽を選ぶことが大切です。カタログで選んでしまわず、できればショールームなどに出向いて、実際に入ってみて大きさを確かめるくらいの慎重さが必要です。

浴槽には、深さが60㎝くらいある和式、45㎝くらいの洋式55㎝くらいの和洋折衷タイプの3つの形状があります。

またぎやすく、介助がしやすいのは和洋折衷タイプ。洗い場の床面から浴槽の縁までを40㎝にする半埋め込み式がおすすめです。40㎝の高さは、車いすの座面とほぼ同じであり、またぎにくくなったときに、一度腰かけて入ることもできます。また、介助しやすい高さでもあります。

介助を受けながら入浴できるようにしておくためには、浴槽の頭の部分の先に介助スペースがあると便利です。洗い場からだけの介助では、介助する人の身体の動きや手の届く範囲に限界があります。下図のように、L字型のスペースが取れないかどうか、つまり2方向から介助ができないか検討してみてください。

現場で施工する浴室の場合は L字型にスペースをとることも可能ですが、一般的なユニットバスでは難しいのが現状です。そんなときは、簡単なバスボード(浴槽の上に置いて腰かける場所を作る板状の補助器具)やリフトのような介助器具を使います。リースもありますのでケアマネージャーさんに相談するとよいでしょう。
すぐに介護が必要な場合は、ユニットバスにも介護用がありますので検討してみてください。

積水ホームテクノ株式会社 介護・自立支援設備wells(ウェルス)

介助を受ける人が寝室から浴室へ移動する方法としては、天井走行リフトや、固定式リフト、浴室までは車いすで移動してシャワーキャリーを使って浴室に入る方法などがあります。

吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
PHOTO©© AID/amanaimages
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