サッシ交換の思わぬ効果【50代リフォーム⑫】

サッシは、光や風を入れたり、人が出入りするためのもの。
その大きさに目がいくことはあっても、そのつくりや素材を気にとめる機会はあまりないでしょう。素材はアルミ製の枠がついたアルミサッシが主流ですが、木製や樹脂製もあります。材質によって、性能、重さや雰囲気が違います。目的に合わせて、サッシを選ぶことが大切です。地域によっては、防火認定されたものをつける必要があるので確認してください。

戸建て住宅のサッシを取り替えたり、新しく窓を作ったりする場合、外壁との関係がありますのでリフォーム工事としては大がかりになります。せっかくサッシを新しくするのなら、次の点に配慮しておくと、将来にわたって使い勝手のよいサッシになります。

一つ目は、縁側や庭との境にするサッシ(掃き出し窓)を段差のないバリアフリーサッシにすること。将来の備えになるのはもちろん、屋外テラスやウッドデッキなどと同じ床の高さになるので、部屋が実際の面積より広く感じます。

二つ目は、開閉の仕方。楽に開け閉めができるよう、クレセントや鍵などの形をチェックしましょう。特に高い位置につける場合は、必ず開閉方法を確認してください。開閉器(オペレーター)がチェーン式になっていて低い位置で操作できるものもあります。

三つ目は、雨戸やシャッターをつけるかどうかの選択です。雨戸の開け閉めを面倒に感じている方が多いのは事実です。雨戸の開け閉めと、まめな窓掃除、どちらを選ぶかはご自分の好みです。シャッターは手動と電動があります。電動シャッターは高価ですが、夜に羽の間だけを通すようなシャッターもあり、寝苦しい夜には重宝します。シャッターとしてだけ考えずに、冷暖房の効率や防犯機能もあわせて考えると、案外採算に合うのかもしれません。

サッシに付属したもので、網戸や防犯用面格子があります。網戸は従来型に加え、ロール網戸やプリーツ網戸なども一般化しています。窓の種類によって使い分けをするとよいでしょう。面格子はサッシと別につけるタイプ、一体のタイプ、目隠しを兼ねたタイプなどがあります。

窓を新しくつけたり形を変えたりすると、予想以上にリフォーム効果を実感できます。

集合住宅の場合は、基本的に外壁工事をすることはできません。しかし既存サッシの枠内で取り替えることができますので、管理組合に相談してみるとよいでしょう。

 

写真:石水邸 設計:アトリエユニ+深澤設計 撮影:深澤明
吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
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