ガラスも選ぶ時代です【50代リフォーム㊲】

ひと昔前まで、住宅用のガラスにはあまり選択肢がありませんでした。

ところが最近では選択肢が増え、用途に合わせて選ぶことができるようになってきました。素材のひとつとして、内・外装に幅広く使うことを考えてみるとよいでしょう。
防犯を重視する場合は、防犯合わせガラス、住まいの省エネ対策には、断熱性能の高い複層ガラスが注目を浴びています。

複層ガラスは、エアコンの効きがよくなるばかりか、結露を防止し、防音効果もあり、特に新築時に多く使われています。リフォームでも、サッシのガラスだけを複層に替えることが可能になってきました。

建築法規では、延焼の恐れのある部分については防火性能のあるガラスを使うよう義務付けています。

機能的なガラスの使い方のほかに、広々とした空間を作るときにも、ガラスは重要な役割を果たします。ガラス戸を使って間仕切りとし、冷暖房効果を高めながらも視界を確保することができますし、おしゃれなガラスをはめ込んで、楽しさを演出することもできます。

ただし、ガラスの危険性も頭の隅に入れておきましょう。滑る危険のある浴室に使うガラスは、ぶつかっても怪我をしにくい樹脂製を使ったり、飛散防止フィルムを貼ったりといった工夫も必要です。

■ガラスの種類

【一般ガラス】

・フロート板ガラス(単板硝子)
住宅の窓や建具に使う。両面が平滑で歪みのない透視性・採光性に優れたガラス。一般的には3〜5㎜の厚み。

・型板ガラス
ガラスの片面に型模様を写した不透明な板ガラス。光は通すが、視線は通さない。

・網入り板ガラス
金属網を封入したガラス。破損しても破片が飛び散らず、防火・安全性が高い。建築基準法による耐火の指定にはこのガラスを使う。

【高機能ガラス】

・強化ガラス
板ガラスを高熱処理して強化したガラス。襲撃強度、曲げ強度は、通常のガラスの3〜5倍で、熱にも強い。割れると破片は顆粒状になる。

・複層ガラス
2枚の板ガラスの間に乾燥した空気を密封し、その空気層で熱を伝わりにくくしたもの。断熱性と結露防止性能が高い。

・合わせガラス
2枚またはそれ以上のガラスに間に、透明で強靱なフィルムの中間膜を挟んだもの。風圧に強く、割れても飛び散らない。防犯ガラスもこの中に含まれる。

 

吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
PHOTO©GYRO PHOTOGRAPHY/a.collectionRF /amanaimages
この記事をSNSでシェアする

関連記事