加齢対応キッチンのヒント【50代リフォーム:65】

「リフォーム願望第1位はキッチン」の続きです。

50代でキッチンをリフォームするのなら、できるだけ楽することを考えておいてはいかがでしょうか。

たとえば、疲れたときに腰かけて作業ができるように、シンクの下に膝の入るスペースをとっておく。掃除のしやすいIHヒーターやハロゲンヒーターにするなど。

また、これからの人生100年時代、キッチンは女性のものという古い考えではなく、男性参加型のキッチンということも考えておく必要がありますね。

収納を見直すなら、思い切って吊り戸棚はなくしてしまうという考え方もあります。

踏み台に乗らないと届かない場所からの出し入れは危険ですし、そのうち取り出すのが億劫になって、使わないまま仕舞い込まれてしまうのが関の山。収納スペースが足りないというのであれば、昇降装置の付いた吊り戸棚も市販されていますので、場合によっては採用するとよいでしょう。ただし昇降機能がスペースをとり、収納力はあまり大きくはありません。

不要なものは処分して、身軽にすっきりと暮らすというのも、50代リフォームの智恵かもしれません。収納は、あればあるだけものが増えるということがありますので、出し入れが不便な位置の収納はなくしてしまう方向で考えてみてはいかがでしょうか?

忘れてはならないのが、キッチンの火災警報器です。新装・改築する住宅のキッチンに火災警報器を設置することが義務付けられています。また既存住宅も、平成22年4月1日から設置が義務付けられていますので、リフォーム前の古い住宅にお住まいの方は、設置されているかどうか確認してください。

東京消防庁「つけましたか?住宅用火災警報器!」
※東京消防庁の管内(島しょ地域と稲城市を除く東京都全域)では、火災予防条例により、平成22年4月1日からすべての住宅に設置が義務付けられています。

東京消防庁の「平成30年中の住宅火災・放火火災の実態」によると、住宅火災の出火原因は「こんろ」が最も多いと報告されています。また住宅火災の死者数(総計66人)のうち、74.2%(49人)が65歳以上の高齢者です。住宅火災の死者を世帯別で見ると、「高齢者ひとり暮らし」で最も多く発生し、「高齢者夫婦のみの世帯」と合わせると、54.5%と半数以上を占めています。

※東京消防庁 平成30年中の住宅火災・放火火災の実態より

いまは何も問題がなくても、加齢と共に高齢期の暮らしでは、安全に配慮することがとても重要な要素となってきます。下図では、そんな「楽するキッチン」の実例を取り上げて、加齢対応キッチンのポイントをご紹介しました。

吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
PHOTO©©PRESS AND ARTS/a.collectionRF/amanaimages
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